読書感想「カスハラ」NHKクローズアップ現代+取材班編集

文藝春秋から出版。NHKクローズアップ現代+取材班編集の本。

「カスハラ」とは、「カスタマーハラスメント」の略である。

被害に遭う職業はサービスを提供する職種が多く、サービスを提供する仕事をする職員が客の暴言や暴力、度を越えた謝罪要求、クレームや迷惑行為をされた「カスハラ」の事例を載せている本である。

本書は「カスハラ」を受けた人の被害事例や調査と、「カスハラ」した人の理由が載っていて両者それぞれの事例をインタビュー形式の文章で書かれている。

「カスハラ」をする側は自分が正しい、自分が正義だと思っていたり、店員に馬鹿にされているのではないか?という思いがそうさせるようだ。

「カスハラ」をする年齢層は定年退職した年齢が多めだが、若者もいる。

自己承認欲求と自己愛の高い人が自分の正義を振りかざす感じのようだ。

インターネットのSNSで企業のクレームが拡散される脅威もあり、食品に異物が混入している写真を投稿された事で企業にダメージが来る。

菓子や食品の異物混入のクレームの対応が各社ばらばらな為に客からのクレーム対応を比較されるので企業同士で「日本菓子BB協会」に加入することで情報共有したり、対応を統一している。

企業によっては「カスハラ」対策をしっかりしているところもあるが、例えばスーパーマーケットのパート職員には「カスハラ」対策の教育がなされていなかったり、相談できる環境がなかったりするようだ。

「カスハラ」から従業員を守る仕組みは必要なのである。

サービスを提供する側には、「出来ないことはできない」と毅然とした態度で対応する、提供サービス以上のサービスを求められても対応できないということを職員に教育したり、会社で「カスハラ対策」を作ることも必要であるのだ。

心の余裕や収入が少ないという時代背景も「カスハラ」や「クレーマー」を生む要素になっているのではないかというもので、客の言うことに対応して聞いてくれる、自分が何を言っても怒らないからといい「お客様」として傲慢に我がまま放題を言う人が多くなったのである。全くもって嫌なことである。

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