読書感想「なぜ、人は操られ支配されるのか」西田公昭

さくら舎から2019年に出版された本。

人に騙されないと自覚してもだれでも騙される仕組みが分かる。

心の操作により騙され、支配される順番や仕組み、騙されない為の方法が書かれている。

ざっくりと感想・・・

・日本人は血液型で人のタイプを一方的に分けて相手と異なるタイプを区別し仲間を作って安心することがある。そのように人は誰かと誰かを分けたがる。

グループや集団に属することでその集団の正義に守られると思うのである・・・。

・グループごとに線引きをして分けるということは「差別」のようなものであり、差別することによって人は安心しがちだが、そのグループは流動的で変わりやすい。

・「ビリーフシステム」は「自分が正しいと信じていること」である。自分の実体験のリアリティーと、社会的リアリティーが「ビリーフ」を形成する。

・権威のある人が肯定すると「そうなのかなと」と信じてしまいついに騙されるという仕組み・・・・。

・第3章の「大集団の支配」の章では、戦後から2000年代の時代背景と流行ったアニメの傾向を例にしている部分が興味深い。

現代人は自由に生きられるようになったが自由というのは不安定な状況でもあり、楽をしたい人が絶対的支配を求めていつの間にか支配されたりする・・・。

・日本の学校教育やスポーツ世界は全体主義とカリスマ支配ではないか?ということ。

・日本には「察しろ」といった「同調意識」の圧力がある。それと「忖度」。忖度の言葉のニュアンスを欧米人に説明するのが難しいようだ。

最後に「支配から自分を守る10の方法」は、本書の終わりに書かれているが、「自分で考えたくない、楽をしたくて周りに同調するほうが楽」・・・という考えならば自分を守ることができるだろうか?という不安もある・・・・。

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