読書感想「他人の足を引っぱる男たち」河合薫

日経プレミアシリーズより出版。

会社員同士の足の引っ張り合いはなぜ起きるのか?という理由が著者の見解で書かれている。

ざっくりと印象に残った部分や感想

  • 日本人は異なるものに対して厳しく、普通が一番であることが良い。(P45)
  • アメリカ人は自分MAXの国なので批判されても日本人ほど落ちこまず、むしろ「相手は自分の良さを分からないだけだ」という前向きな考えである(P47)。
  • 近年の会社員に自立した個を求めることに対する疑問(P105)。個を確立し結果を出せる人はごく一部であり、そもそも個にこだわる人は会社員になっていない。
  • 若者は情報収集のスキルは卓越しているが「知っている」だけで「分からない」場合がある。「分からない」ことを「分からない」と言えない。
  • 自尊心の低い人は「他者評価」に依存しがちで、他者評価を気にする人+承認欲求の強い人=権力大好きという公式が成立(P134)。

・・・等々と印象的な部分があったが、全体的に本書を読むと著者の会社員(特に年上の「ジジイ」)に対しての怒りを感じる気がするのは気のせいだろうか?

部下の足を引っ張る上司についての怒りの気持ちがある人は共感するかもしれない。

会社員に「能力主義」や「個を確立せよ」と求めておきながら、いざ出世しそうな社員や部下がいれば「抜け駆けを許さない」、「皆平等だ!」、という考えの人間が能力のある人の足を引っ張る・・・・。

皆同じ足並みにしようと、出世を許さない人が能力のある人の足を引っ張りつづけるということは、会社が成長するというチャンスを逃しその会社がいつまでも成長しないという残念な結果を導くというのが分からない会社がきっと多いのだろう・・・。


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