ブックマン社からの本。
本書では「演技性パーソナリティー障害」という過度な情緒性・演技性・性的誘惑・嘘をついてまでも周りから注目されないと存在価値がないと感じるようなタイプと、「自己愛性パーソナリティー障害」という自分が大好き過ぎて特別と思い込み、周りがどう思っているかを考えないようなタイプが取り上げられている。
一例として分かりやすいのが、SNSで「いいね」が気になる人は「演技性パーソナリティー」。不幸ワードで周囲から同情されたい、すぐ泣くというタイプであるが共感力が高かったり人たらしでもあるようだ。
このタイプが他人をほめる場合は相手が自分のことを理解している前提があるから誉めるという・・・・。
一方の「自己愛性パーソナリティー」に当てはまるタイプは増長し、傲慢で横柄な言葉使いや振る舞いをするが、自己愛が強すぎて社会に出られず引きこもりになるようだ。
個人的に印象的な部分は・・・・
○日本人は「不幸カード」に騙されやすいという話はその通りだと感じた。
テレビ番組でもよくありがちだが、不幸に見える人とか不幸な生い立ちの人が苦労しながら頑張って偉くなった話が大好きだなのだと思う。
○騙されやすい人は「心配性の人」という話もなるほどと納得する。
詐欺で騙される人で「儲かる」という言葉より「大変なことになりますよ」と言われ不安感を煽られ騙されがち。
それと白黒はっきりさせたい人も騙されやすい。
○中国人は新聞などの情報を信じていないということや、日本人よりメディアリテラシーが高いということは面白い。
○本の最後の「戦争責任者の問題」という伊丹万作氏のエッセイの引用が掲載されている。
「騙されたと平気で言っていられる国民ならおそらく今後も騙されるだろう」という文章が印象的。
という感じで、本書は情報に騙されない為、知っておきたいことが書かれているので「自分は騙されがちだ」と感じる人はきっと参考になると思う。