読書感想「しがみつかない生き方」香山リカ

幻冬舎から2009年に発売。

精神科医の著者の、現代の頑張りすぎな人達に違った視点を与える本。

10章からなる「○○しない」アドバイスが載っている。

「恋愛にすべてを捧げない」は若者に今が全てと自分を盲目的な恋愛に賭けることに対して警告。彼氏が全てだと思うことで自分を自傷していく人を心配している。今まで明るかった人が恋愛をした為にうつになったり死にそうな顔表情になることが少なくない、好きすぎるというのは体に毒でもあるのだと思う。

「仕事に夢を求めない」では、夢の仕事に就くことが全てではない。目標を持って無理やり夢の仕事に向かわなくてもよい。食べていくだけの仕事でも良い。しがみつくことが自分の全てではない。

「勝間和代を目指さない」は、頑張れば何とかなる、努力すればどんな夢もかなうと前向きなメッセージを発信している勝間和代を素直に信じて挫折した人を著者は見た。頑張っても頑張っても駄目なことで窮地に陥っている人にとって勝間和代がその人達には多大なプレッシャーになっている。努力してもどうしても無理だった人達が、何もしていなかった人達と同じに扱われ、「努力がなかった人達」にされるのだという。一部の成功者と自分は環境も違うのだからむやみに目指す必要はないのだと思う。

この本の最後の章の「人生に最高も最悪もない」という言葉が良かった。

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