読書感想「美大生図鑑」ヨシムラヒロム

飛鳥新社より、2017年に出版された本。

「美大生」について美大出身の著者が自身の実体験や取材をもとに愉快なイラストと同時に語っている本。

美大生の実態やら、美大生あるあるなどが散りばめられていて「美大」に興味があるない関係なく面白く読めた。

自分は趣味で絵(漫画みたいなイラスト)をよく描くのだが、美大や美術の勉強には縁がなかった自分が「もしも美大に入ったならこんな生活になっていたのか?」と思った・・・。

もしこの本のような実態が5割以上だとしたら正直「そこまでしてまで美大に入らなくてもいいんじゃないか?」「美術が好きでも借金してまで入る場所ではないなぁ・・・」という気持ちになる。

美大生の就活事情が案の定厳しいなと思うのだが、十代後半で美術を志してもその情熱を22歳まで保っている方がある意味異常といった部分は、「そんなものなのか・・・?」と意外に思ったり・・・・。

気になるのが美大生の飲み会が「健全」だというところ。酒の肴が「美」についての話題というのは個人的に美大生が呑んでいる席の傍に座り会話を聞きたいと思う(笑)。美大以外の大学生の一気飲みは今でも横行しているのか??(一気飲みの強要は美しくないと思う)

あとは「溜まり場が世界堂」という話。新宿の「世界堂」という巨大な画材・文具店に若い時に一度行ったことがあるのであの店の膨大な品ぞろえには興奮した。「世界堂」に行けば高確率で美大生がいるのか(←漫画の画材のフロアしか自分は用がなかった)。

美大生になったらパソコンはMacを買うと言うのは美大生あるあるなのか?

形から道具をまずそろえるというのが美大生の心意気??

美大も学科が色々あるのでパソコンでデザインの勉強する科ならMacが必要なのだろう。

「ただでやって」といった「美大生だから当たり前に絵が簡単に描けるだろう」と描く作業を軽視している人に対する困りごとの話は大変だなと思う部分・・・。

「適当でいいというのなら自分でも描けるでしょ?」と言ってやればいい。

真っ白から創作するという苦労を知るべき・・・。

この本の「豊作の年、不作の年がある」というページの「鉛筆」イラストが個人的にクスッと笑ってしまった。

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