読書感想「ビンボー魂」風間トオル

中央公論社から2016年に出版した本。

モデル・俳優である著者の貧乏だった子ども時代のエピソードと貧乏から脱却するきっかけや、貧乏でも物事に対して前向きに考えて生きてきた思い出話が書かれている。

家庭の事情により幼いころから両親ではなく祖父母と共に暮らしていた少年時代の話が主になっている感じ。

本来なら自分の置かれた過酷な環境にめげてもおかしくないほどであるが、自分の恵まれない環境を悔いてもどうにもならないと、ひたすら前向きにかんがえて毎日を乗り越えてきたことはすごい。

楽観主義の祖父、レディーファーストを教えた祖母の元。人に親切であった祖父母の影響が大きいのだろう。

小学校になると貧乏ということや両親がいないことでいじめに遭うも自分をバカにするものに対して負けない気持ちを持つことで自分を守っていた。

子ども時代の頃に土日に河原で出会ったホットドック屋さんの優しい心遣いの話がいい話である。

高校生になればグレる人もいるが著者がグレなかった理由が「グレるとお金がかかるから」というエピソードが印象的。

「親と言う名のセーフネットの元でグレるなんて幼い」という考え方は、なるほどと思った。

実家を離れ専門学校の頃にアルバイトした時に、海外のお客さんの要望したチョコレートケーキを出した後のお礼のエピソードもすごい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA