読書感想「良心をもたない人たち」マーサ・スタウト/木村博江(訳)

草思社から2006年に発行された本。

著者のマーサ・スタウトは米国の心理セラピストとしてトラウマを抱えた患者の治療をし続けた経験から、患者が「良心のない人」に苦しめられている事実に気づきこの本を発表。

25人に一人の割合で「良心をもたない人」、いわゆる「サイコパス」に苦しめられた人々の事例が書かれている。プライバシー上、人物は仮名で編集されているとのことだがどのようなそぶりをする人物が「良心をもたない人(サイコパス)」なのかの見分け方が分かるので自分の周りの「良心をもたない人」を見分けることにも一役買いそうである。

本書を読んで印象に残った部分と感想

  • 「良心を持たない人(サイコパス)」はカリスマ性や魅力があり、ナルシストである。刺激やスリルや危険なゲームを好み退屈が嫌いである。普通の人は自分とは違うことができる刺激的なサイコパスの言葉や行動にひかれてしまい心酔する(異性関係であれば遊ばれたり利用されたりする)。
  • 教育者、医者、指導者、動物愛好者、人道主義者、親などといった肩書の職種や権威のある人に無知な人は言いなりになりがち。おかしいと思ったら自分の直感を信じる。
  • サイコパスは空涙をよく使い、自分に同情してもらおうとする。人を煽るのが上手く、自分より格下には良い人ぶり、ライバルに対しては恨み蹴落とそうとする。自分の為に平気で人に嘘を言う。
  • 人は権威のある指導者の言いなりになりがち。犯罪・暴力・テロの脅威を繰り返し訴える政治家や指導者は、国民の増大した恐怖心に付け込んで忠誠心を得ようとする。権威のある独裁者に打ち勝つには一人一人が己の良心をはっきり目覚めさせることである。中世の魔女狩りなどのようにごく普通の一般人が独裁者の言いなりになり、人を「イット(物)」と称すると途端に人を人と思わなくなり良心を失い独裁者の言いなりに残酷な行動をしてしまう。
  • 人は生後7か月までの生まれ育った環境が悪いと愛着障害・サイコパスになる傾向。育児放棄、スキンシップの欠如、ネグレクトは良くない。一例としてルーマニアの共産主義時代に独裁者(ニコラエ・チャウシェスク)の国民に対する避妊禁止、中絶禁止の策によって多くの孤児が孤児院に収容されたが、劣悪環境だった為、愛着障害になった成長した孤児たちは異常行動する。西欧や北米の里親は養子として引き取ったが異常行動をする為、里親は苦悩した。のちのルーマニアの新指導者は外国に対する養子縁組を禁止した。
  • 日本や中国はアメリカと違いサイコパスが少ないとのこと。文化や宗教や信仰で人の絆を大切にする教えを受けているからなのかサイコパスは少ないようだ。逆にアメリカは個人主義なせいかサイコパスが多いようだ。
  • サイコパスに同情しないようにする。「あんたには借りがある」「私とあなたは似ている」など口が達者。それらの言葉は無視する。サイコパスは傷ついたふりをするが傷つかない。同情を買おうと大げさにふるまうが笑顔を見せずに冷たく接すること。
  • サイコパスだと分かったら連絡を絶つ、自身の交友関係・社会生活からサイコパスを締め出すこと。

・・・・というような「良心をもたない人(サイコパス)」の色々な事例と一緒にそのような傾向の人の見分け方も書かれているので参考になる。

どのような傾向の人がサイコパスなのかが大体分かったのでいい勉強になった。

投稿者:

kana

Kana
1976年生まれ。
それほど読書家でもないけど本が好きな主婦です。
当ブログの本の感想は、自分が購入した本や図書館から借りた本が主です。

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